Q:中心軸とは何ですか?

A :中心軸は、骨や筋肉のように解剖学的に存在するものではありませんが、各種スポーツ、武道や格闘技、ダンスなど、身体を使う様々な分野で非常に重要とされてきたもので、競技や解説する人により、身体軸、正中線、センターなど、様々な呼び方をされています。

中心軸を解説している人の多くは、それを「感覚の流れ」だと言っています。
体全体が、その中心の軸から動き、体の中心(胴体)から、手足へと、中心から広がっていくように全身を動かせる感覚ができた状態を、「中心軸ができたカラダ」であると説明しているのです。
この状態になると、動きの起点は中心軸になるので、いわゆる「軸がブレる」ということも無くなります。

私達も基本的には同じように考えていますが、解剖学的に言うなら、中心軸を、骨とそれを取り巻く筋肉に繋がる「神経、および神経の流れ」だと捉えています。

一流のアスリートたちは、日々の練習の中で、人体の中心にある軸を意識しながら、その競技の基本フォームや、それぞれの競技における動きを、強くイメージしながら何度も何度も繰り返し行っています。そうすることで、骨とそれを取り巻く筋肉に神経が張り巡らせ、軸を中心に複数の必要な筋肉がスムースに連動して動かせる体を作っているのです。
この動きこそが、人体にとって最もロスがなく、パフォーマンスの高い動きであり、この動きができるようになると、体を動かすときに「感覚の流れ」を感じることができるようになるのです。

また、中心軸を、地球の中心に向かって引っ張られる引力に沿って、体内を縦に走る見えないラインだと解説している人もいます。いわゆる胴体部分にのみ、軸があるという考えです。
しかし、日本古来の武道には、腕部や脚部にも軸があるという考えと、それを体現した動きが多数あり、武道の達人と呼ばれる人たちの動きは、既存の筋肉に関する常識から考えると、ある種、超人的であり、神秘的な動きに見えます。

しかし、私たちの臨床でも、椀部や脚部にも軸があることが確認されており、腕部や脚部に軸を作り出すことで、武道の達人と近い動きができることが分かっています。そういった意味で、中心軸は胴体部分だけでなく、骨格に沿って全身にあるものだと私たちは認識しています。

Q:中心軸から動けるようになると、どうなるの?

A: 中心軸とは人体の各部位に置いて、いわば「動きの起点」となるものです。 この起点が定まっていないと、何らかの動作をする際、各筋肉の連動がされづらく、また、動作と相反する方向に働く筋肉も同時に働いてしまうため、どうしても動きにロスができてしまいます。

これは、バランスボールのような非常に不安定な足場の上で立ち上がる動作をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。
足場が不安定だと、体はどこかに安定(動きの起点)を作り出すために、バラバラに動き、また、相反する方向に働く複数の筋肉に力が入ってしまいます。
しかし、安定した足場の上で同じ動作をするときは、その動作を行う起点(安定した足場)があるので、、立つという目的に向かって必要な筋肉が連動して働き、それに相反する筋肉には力を入れる必要は無くなります。

これと同じように、中心軸が作られると、人体内に動きを行うための安定した起点ができます。動きの起点はスタートであり、動きの終点、すなわちゴールは、その動きを終えた状態です。
安定した起点と終点が定まることで、同じ動作をするのでも、起点から終点の動きをするために数多くの筋肉が無理なくスムースに連動して動くようになり、また、動作と相反する方向に働く筋肉に力が入ることは無くなります。そのため、動きに無駄がなく、力の滞りもない、人体にとって最もパフォーマンスを発揮できるようになるのです。

このように中心軸(安定した起点)ができると、人体は終点に向かって必要な筋肉だけを起動させればいいので、その他の余計な力を抜くことができるようになり、いわゆる武道の世界などで言われる「脱力した状態」になることができるのです。

脱力した状態とは、「力が抜けた状態」ではなく、「力を抜いた状態」のこと。
一度、「力が抜けた状態」になると、その直後に筋肉に働く必要ができても、OFFからONにするにはタイムラグがあるので、十分にスイッチが入ってない状態で動かすことになり、充分な働きができなくなります。
一方、「力を抜いた状態」とは、余計な力みや緊張を抜いて、働く必要が無い筋肉をリラックスしたスタンバイしたまま休ませているような状態ですから、スタンバイした筋肉は働く必要が生まれた瞬間に、最大限の機能を発揮できるようになるのです。
ですから、脱力した状態だと、筋肉は滞りなく滑らかに動きくだけでなく、必要なインパクトの瞬間などに最大限の瞬発力を発揮してくれるようになります。
また、スタンバイになっている間、余計な力が入っていないので、関節部分の動きもよくなり、可動域も広がります。

Q:体幹と中心軸は、どう違うのですか?

A : 体幹とは、体の幹の部分ですから、正式には、背骨とそれを取り巻く深層筋肉(インナーマッスル、コアマッスルとも呼ばれる)のことを言います。 これに対して中心軸は、解剖学的に特定の部位として存在しているものではなく、動きの中心となる軸を起点に、この中心から広がっていくように全身を動かせる感覚ができた状態のことを指しています。

日本では、スポーツトレーナーやインストラクターによって、体幹トレーニングに関する書籍が発刊され、マスメディアにも頻繁に取り上げられています。
そのため、インナーマッスルやコアマッスルなど、いわゆる体幹を鍛えることで、身体能力を高めることができると、考えている人が多いのですが、インナーマッスルだけを鍛えても、そういった効果が無いことは、世界中の多くの研究機関による調査や実験によって証明されており、すでに世界のスポーツ界の常識となっています。

そもそも、インナーマッスルのワークアウトが作られたのは、1980年代後期のアメリカでした。この当時、ある科学者が、スポーツ選手の怪我が多いのは、アウターマッスル(表層筋)に比べ、インナーマッスルが少ないせいではないかという説を唱え、インナーマッスルのワークアウトが作られたのです。
しかし、後追い調査の結果、インナーマッスルを鍛えても怪我がへらいないことが証明されました。
そして、適切なアウターマッスルのトレーニングをしていれば、自然とそれと連動するインナーマッスルが鍛えられることも分かったのです。 実際、サッカーのクリスチャン・ロナウド氏なども、運動能力を高めるにはアウターマッスルのトレーニングだけで充分だといったことを述べています。

体幹部分のインナーマッスルは、頭部や椀部、脚部の力を連動させるまさに幹となるものなので、例えば、脚部の力がうまく椀部に伝えられていないといった状態になっている方は、体幹トレーニングをすることで運動能力の向上を期待することはできますが、体幹トレーニングだけを行っても、残念ながら運動能力が高まることは無いのです。
つまり、体幹は全身の運動能力を高めるのに必要な要素のひとつではあるのですが、全部条件ではないのです。

Q:中心軸が整うと、他のトレーニングは必要なくなりますか?

A : アクシスメソッドによって身体能力や運動能力が高まるのは、筋肉を支配している神経に働きかけることで、筋肉が本来持っている力が発揮されるようになるからであって、アクシスメソッドによって、筋肉の全体量自体が増えるからではありません。
それぞれの競技で上達するには、トレーニングにより、その競技に必要な必要な筋肉を身に着け、必要とされる筋肉の機能を高めていく必要があります。

ただ、これまで、どの競技に置いても「中心軸を作る」というのは、ひとつのゴールでした。
中心軸は、どの競技においてもパフォーマンスを高めるのに必須であるため、これまでアスリートたちは、強くイメージをしながら反復運動を繰り返すことで、軸を作っていくという作業を非常に長い時間をかけて行ってきたのです。

アクシスメソッドを使えば、まず軸を作ってからトレーニングや練習をするということができるようになります。
例えば、ゴルフのスイングで軸がブレるという課題を持った人は多く、このブレを無くすために非常に膨大な時間を課題克服の練習に費やしています。アクシスメソッドを使えば、先にブレナイ軸を作って、その上で、正しいフォームを学んでいくことができるのです。 このようなステップで練習をしていくことで、より短い時間で、高いパフォーマンスの動きを自分のものにすることができるようになるのです。

Q:アクシスメソッドは、どのような競技に有効なのでしょうか?

A : ゴルフのような「静」の競技でも、サッカーや格闘技などの「動」の競技でも、高いパフォーマンスに中心軸は必須のものです。ですから、どの競技にもアクシスメソッドは有効だといえます。
実際、現時点、武道から、ダンス、球技、陸上、水泳など、幅広い競技で、アクシスメソッドを受けた人が、自分の体の動きの変化を実感しています。

Q:アクシスメソッドと治療は、どのように違うのですか?

A : 治療とは、問題を抱えた状態を解決することを目的としていますが、一方、アクシスメソッドは、身体能力や運動能力を高めることを目的としているという点が異なります。
例えば、治療で、腰痛で悩んでいる人の痛みや不快感を解消し、普段の生活ができるようにしたり、スポーツをすることができるようにすることはできますが、治療をすることで、腰の機能を高めることはできません。

このように、治療とは、マイナスの状態からゼロに持っていくことはできても、ゼロからプラスの状態に持っていくことはできません。風邪薬を飲めば健康な状態になることができますが、同じ薬を飲んでも強い体になることはできないのです。
アクシスメソッドは、ゼロからプラスへと、その人の身体能力を高めるものですから、人体に及ぼす影響が根本的に異なるのです。

Q:アクシスメソッドを受けることで副作用とか弊害は無いのですか?

A : アクシスメソッドは、筋肉を支配している神経の滞りを外すことで、体の中心から深層筋、表層筋へと神経を張り巡らせ、中心軸を作っていくメソッドです。
このように表現をすると特別なもののように感じるかもしれませんが、骨格から、深層筋、表層筋が連動してスムースに動くのは、人間本来の理想的な動きであり、その本来どおりの動きをしたときに最大限の力を発揮するのが、人間の体なのです。

アクシスメソッドは、体になんからの付加をかけて無理やりに能力を引き出すものではなく、人体に潜むアルゴリズムにそって刺激を与えることで、体が本来持っている動きを取り戻させるメソッドなので、一切の副作用的なものや弊害はありません。

Q:アクシスメソッドの持続時間はどれくらいですか?

A : アクシスメソッドは、一度受けると、その効果が、一ヶ月は持続することが臨床で分かっています。
ただし、アクシスメソッドは神経に働きかけるメソッドであるため、睡眠導入剤や抗うつ剤など神経に働きかける薬や、神経に影響を及ぼす強い薬を服用していたり、大きな精神的ストレスなどを受けると、持続期間が短くなります。
また、お酒やタバコなど、神経に影響を与える嗜好品の過剰な摂取や、極端に乱れた生活サイクル、自動車事故のような大きな衝撃なども、神経に大きなストレスを与えるため持続期間を短くする可能性があります。

Q:治療技術で、身体能力を高まる動画をYouTube見たことがあるのですが…

A:筋肉が骨格を支え、稼働させることで、人体の動きは作られています。
つまり、骨格という「構造」を、筋肉という「機能」が動かしているのです。

厳密にいうと、人体が高いパフォーマンスを発揮するには、「構造が正常である」ことと「機能が発揮されている」ことが必要になります。
極端な事例になりますが、例えば、脱臼して骨格の構造が異常な状態だと、どんなに筋肉の機能を発揮させても、パフォーマンスを高めることができないのです。
逆に言うと、骨格は筋肉によって支えられていますので、構造が正常であれば、それを支え、動かす際の筋肉のストレスは減少し、その分、筋肉は機能を発揮しやすくなります。

アクシスメソッドの登場により、近年、身体能力を高めるというテーマが注目されるようになり、それに伴って、身体能力を高める施術(治療)が登場してきています。(アクシスメソッドを一般公開した当時、身体能力を高めることを謳った施術はほとんどありませんでした)
You Tubeなどの動画サイトに公開されている全ての動画と、その技術の理論を確認できているわけではないのですが、現時点では、それらの施術は基本的に構造を調整するものだと認識しています。

構造が整えられることで筋肉にかかるストレスは減り、動きやすくなるので、徒手筋力テストや動きのビフォアーアフターなどの動画を見ると、一見、アクシスメソッドと同じ効果があるように見えます。
しかし、構造を整える施術では、筋肉は機能が発揮されやすくなっているだけで、筋肉を支配する神経のブロックを外し、筋肉の機能を発揮させるアクシスメソッドとは根底的に異なります。前者はストレスが減少した分だけ筋肉が動くようになりますが、後者は筋肉が本来持っている機能を発揮させるからです。つまり、身体能力の発揮される幅が異なるのです。

また、骨格構造は、筋肉という機能によって支えられているので、骨格構造だけを整えても、筋肉の機能が発揮されていなければ、整えられた構造を正しく支え続けることができず、時間と共に構造は元の状態へと戻っていきます。
構造が元の状態へと戻る期間は、筋肉の状態によって個人差はありますが、身体能力が発揮される期間はそれほど長くないのが一般的です。

筋肉を支配する神経に働きかけることで筋肉の機能を引き出すアクシスメソッドの効果は、1カ月以上継続されるというのも、治療とアクシスメソッドの大きな違いでもあります。(実際、身体能力を伸ばす施術で、その効果の持続期間を明確に打ち出しているところは、私たちの確認している範囲では存在していません)

蛇足なりますが、骨格という構造を支えているのは筋肉であるため、筋肉の機能を発揮させると構造にも変化が起こります。
例えば、一般の方がアクシスメソッドを受けた体験談として、よく、「猫背が改善された」「姿勢が良くなったと言われるようになった」「立ちやすくなった」といったお声を頂くのですが、これは、機能が高まることで、骨格という構造を筋肉が正常に支えることができるようになったためです。
ただし、構造の崩れがひどい場合は、筋肉の機能を引きだすだけでは十分に構造を整った状態にまで戻すことができないので、そういった場合は、構造を整える体操をおこなったり、場合によっては施術を受けた方が、パフォーマンスは高めやすくなります。

Q:他の治療との併用も可能でしょうか?

A :アクシスメソッドを受けて神経の滞りが解消されると、筋肉がスムースに連動して動くようになります。
骨格構造に問題があったり、体の使い方の癖などで、一部の筋肉だけにストレス(負荷)がかかると、その筋肉に炎症や痛み、緊張が起こりますが、筋肉がスムースに連動して動くようになれば、特定の筋肉へのストレスは軽減されます。また、怪我の場合でも、その周りの部位の筋肉が連動して働くようになることで、怪我部分への負担は軽減されます。
このような理由により、現在、何らかの治療を受けられているとしたら、アクシスメソッドを併用して受けることで治療効果は高まることが考えられます。

Q:何処に行けばアクシスメソッドを受けられるのですか?

A : 現在、Axis Power Mastery Method協会のマスタートレーナーの元で、アクシスメソッドを受けることができます。
マスタートレーナーの中には、柔道整復師や鍼灸師などの国家資格を有している人間も多数存在していますので、「新しいメソッドである」という点に不安をもたれる方などは、そういったトレーナーを選ばれると安心していただけると思います。

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