各種スポーツ、武道、ダンスなど、あらゆる競技で「軸」は重要なものとされています。
でも、「軸とは何ですか?」と質問をして、即答できる人は多くありません。

いったい軸とはどういったものなのでしょうか???

どんな物質にも、バランスが取れる一点(重心点)があります。
もちろん、体にも。
まず、このことを覚えておいてください。

次に、軸には『物理的重心軸』と『身体的中心軸』の2つがあります。

「物理的重心軸」とは、人間の体を一定間隔でスライスをした時に、各ブロックの重心となる点を結んだ線。このブロックごとの重心点を『部位重心点』と呼びます。

一方、「身体的中心軸」とは、両足を結んだ線と接地面(地面)を結んだ線が90度の角度で交わり、頭部まで一直線に貫いた線。

この「物理的重心軸」と「身体的中心軸」の2つが限りなく一致した線が『中心軸』になりなのです。つまり、それぞれの部位重心点が身体的中心軸と限りなく一致していると、中心軸ができた状態となるわけです。

なぜ、「一致」ではなく、「限りなく一致」なのかというと、骨格や筋肉は完全に前後左右対称になっているわけではなく、また、臓器の大きさや位置、脂肪量と脂肪がつく位置などにも個人差があるため、各部位重心点が身体的中心軸と完全に一致しない部分に重心点があるほうが、理想的な場合もあるからです。

中心軸ができると、何故パフォーマンスが上がる?

物理的重心軸と身体的中心軸が限りなく一致している状態が、中心軸ができた状態です。

骨格を支えているのは筋肉ですが、中心軸ができると、立つのにほとんど筋肉を使う必要がなくなります。いわゆる武道で言うところの「骨で立っている」状態です。

物理的重心軸と、身体的中心軸がズレていると、カラダのバランスを取るのに(骨格を支えるのに)筋力が使われます。

例えば、筋肉が100あるとしましょう。
そのうち、30を体のバランスを取るのに使うと、体を動かすのに70の筋肉しか使うことができません。その結果、パフォーマンスが低下するのです。
これが、『構造的原因』によるパフォーマンスの低下です。

もうひとつ…。
中心軸が失われると、体のバランスを取るのに筋肉が使われますが、この状態が続くと、脳は常にバランスを取るために筋肉に指令を出し続けることになり、脳、筋肉、そして筋肉を支配している中枢神経・末梢神経が疲労します。

脳が疲労を起こすと、脳震盪を起こしているのと近い状態になることは、最新のスポーツ医学でも証明されていますが、この状態になると、判断力の低下だけでなく、筋肉を動かす機能も低下します。その結果、パフォーマンスが低下するのです。
これが『機能的原因』によるパフォーマンスの低下です。

このように中心軸が無いと、「構造的原因」と「機能的原因」の2つの原因により、パフォーマンスが低下してしまうのです。